秋冷の候、皆様におかれましは、益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。また、平素より「はくばアルプス農場」の事業運営につきましては、格別なご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
事業者としての臭気対策を継続して行なって参りましたが、本年度は、臭気が例年になく広範囲で濃度が高く、皆様方には多大なご迷惑をお掛けしております。
以下、本年度これまでに実施しました環境対策についてのご報告を致しますが、今後とも住民の皆様及び各関係機関からご指摘頂いた内容を謙虚に受け止め、情報を農場内全体で共有し、臭気の低減に引き続き努めて参ります。


 1、浄化槽のバイパス工事を実施しました(5月)

浄化槽の原尿槽から発生する硫化水素を防ぐため、原尿槽を通さずに尿を処理するためのバイパス工事を5月末に実施しました。

従来の処理方法工事実施後

 2、肥育豚舎内霧散布装置を増設しました(7月)

7月下旬に、豚舎内の埃を抑えるため、噴霧装置を増設しました。増設位置は肥育豚舎(A・B)の出荷台に沿って設置いたしました。(下図)今後、水量の調整により臭気の軽減が図れないか検討して参ります。


霧産婦装置の設置位置

 3、新型インフルエンザ自主検査を実施しました(8月)

県家畜保健所の指導を受け、全農長野県本部の獣医により豚の新型インフルエンザについて自主検査を実施しました結果、すべてが陰性でした。

 ○ 検査日   平成21年8月3日
 ○ 査材料  繁殖センター・アルプス農場各5検体(計10検体)無造作に抽出
 ○ 検査方法  エスプライン インフルエンザ A&B‐N 富士レビオ


 4、(財)畜産環境整備機構・畜産環境技術センターによる臭気状況の確認をしました
   (8月)

8月6日、北安曇農業改良普及センターを通じて、豚舎内部の臭気状況等について専門家による確認を行いました。
 
普段はなかなか清掃ができない豚舎のスノコ下や、除糞時の運搬用スクリュー部分の洗浄及び清掃が、臭気軽減に繋がるとの指摘を受けました。

これを受けて農場では、9月27日に除糞用スクリューコンベアの清掃を実施しました。その他のファンや電気系統の周辺については、11月以降ファンを止めての清掃を行ないます。


 5、環境ウオッチャーの方に場内に入場していただき、現状確認していただきました
   (4月・7月)

設備のメンテナンスの確認、臭気測定の立会及び農場内部の環境美化の現状について、環境ウオッチャーの方に場内に入っていただきました。

指摘により、草刈作業を実施したほか、指摘された事項について、農場内の作業員全員で共有しました。


 6、特定悪臭物質の調査を行いました(8月)

臭気のレベルを定量的に評価するため、県環境保全研究所の協力のもと、SPF豚畜産環境対策協議会で悪臭防止法に定める特定悪臭物質のうち、農場で発生すると思われるアンモニア以下6項目について、機器分析測定をしました。
今回臭いが強いと思われる農場入口と当日臭気調査地点のうち臭いが強かった梨平で調査を行いました。
農場入口ではプロピオン酸とノルマル酪酸が検出されました。これらは腸内微生物の作用により発生する酸っぱい臭いがする物質です。
梨平では、臭気強度2〜3の状態にもかかわらず、機器分析では、6項目すべて不検出でした。


 7、SPF豚畜産環境対策協議会により臭気調査を実施しました

昨年に引き続き、協議会で6月から臭気調査を行い、周辺地域の方々に対する臭気の状況を確認しました。また、今年度は臭気の発生と農場内の作業工程との関連をみるため、川内地区において、8月末に5日連続で調査を行いました。
天候等影響もあり、作業工程と臭気の明確な因果関係の特定はできませんでしたが、調査結果をもとにさらに検証し、従来から指摘されている出荷時の迅速な作業など、農場全体の臭気発生の低減に取り組みます。
6月・7月・8月・9月の臭気調査の結果は、別紙「SPF豚農場周辺地区における臭気調査結果」のとおりです。

川内地区における臭気調査結果
SPF豚農場周辺地区における臭気調査結果

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