日増しに春めき、皆様におかれましはご健勝のこととお喜び申し上げます。また、平素よりはくばSPF豚農場につきまして、格別なご理解と御協力を賜り厚く御礼申し上げます。

昨年は、臭気の濃度が高く、広範囲に及んだことから、協議会において事業者への厳しいご指摘をいただき、全農とJA大北の誠意ある対応が求められました。

事業者としましては、協議会にてお示しした対策を確実に実施して参りますとともに、事業者としての役割を全農・JA大北全体の問題としてとらえ、一丸となって取り組んで参りますので、引き続きご理解を賜りますよう、お願いを申し上げます。

はくばSPF豚畜産環境対策協議会三役等会議および臭気対策プロジェクトチーム合同会議開催

3月15日会議の様子 3月15日(月)午後5時から、JA大北白馬支所において「はくばSPF豚畜産環境対策協議会三役等会議および臭気対策プロジェクトチーム合同会議」が開催されました。

協議会事務局から「平成22年度協議会活動方針及びはくばSPF豚畜産環境対策の各主体の役割(1. 協議会の活動方針参照)」、事業者から「平成22年度環境対策の実施概要(2. 全農・JA大北の環境対策の実施概要参照)」、臭気対策プロジェクトチームから「平成22年度臭気対策実施方針(3. 臭気対策プロジェクトチーム 臭気調査実施方針参照)」について説明がされ、それぞれ承認をいただきました。

1. 協議会の活動方針

平成22年度の環境対策方針

  1. より多くの関係者が、それぞれの立場で積極的に役割を果たし、関与を強めます。
  2. 協議会の環境対策の基本である「はくばSPF豚畜産環境対策 各主体の役割(チャート図)」を、より実質的に機能させます。
  3. 当事者間の協議の場を設定します。
  4. 解決に資する情報提供や技術的な助言を行います。
  5. 臭気調査を引き続き実施し、当事者間の合意形成の支援をさらに推進していきます。

2. 全農・JA大北の環境対策の実施概要

臭気対策への取り組み方針

  1. 協議会からの意見を踏まえ、現在まで設置されている脱臭施設のメンテナンスを確実に継続します。
  2. 平成22年度は、豚舎及び農場内の清掃を強化し、農場全体の臭気密度を低下させるとともに、新たに消臭対策を実施し、引き続き情報収集に取り組みます。
  3. 堆肥の提供を通して地域農業生産振興への貢献を自覚し、事業に取り組んで参ります。

平成22年度に向けての取り組み

堆肥製品落下地点

【写真1】パイプコンベアで搬送された堆肥製品の落下地点。この正面および側面を、強化ビニールによりカーテン形式で囲みます。

中継枡周辺の様子

【写真2】中継枡周辺。黒パイプを塩ビ管に変更し、密閉度を上げるためサイドコンクリートを加工。

コンテナ車 コンテナ車内部

【写真3】3月27日導入されたコンテナ車とその内部

1. 豚舎内の清掃強化
  1. 豚房の床「スノコ下」の清掃を強化します。
    取組内容:出荷後、高圧洗浄機により洗浄(高性能高圧洗浄機を1台から2台に増設する)
  2. 排気ファン周辺の清掃を行います。
    取組内容:埃がたまった排気ファン周辺を炭交換時に合わせて、ブロア等で清掃する。
  3. スクレーパー(豚舎内の糞尿排出装置)稼働回数を1日2回から1日3回に増やします。(4月より実施中)
2. 堆肥舎からの粉塵発生防止
  1. 堆肥製品落下地点のベルコン周辺に強化ビニールカバーを設置し、粉塵の発生を抑えます。【写真1】
3. 新型脱臭装置の増設
  1. A舎南側・旧型炭脱臭装置を既存の新型脱臭装置へ改良します。
    取組内容:実施時期 : 4月〜5月
  2. 分娩舎北側・脱臭装置の一部を改良し、離乳舎へ新型脱臭装置を増設します。
    取組内容:実施時期 : 3月16日より稼働中
4. 肥育舎尿搬送ライン中継枡の密閉
  1. 中継枡周辺の黒パイプによる立ち上げ部分を塩ビ管に変更し、密閉度を上げて臭気を抑えます。【写真2】
5. 浄化槽臭気軽減対策
  1. 第3・第4バッキ槽を囲い密閉します。 取組内容:実施時期 : 4月10日完成
6. 豚出荷時の扉開閉時間の短縮等
  1. 農場内豚移動用車をコンテナ化するとともに、出荷出口を密閉化します。【写真3】
7. 臭気対策に係わる施設メンテナンスの継続
  1. 昨年10月から常駐雇用者を1名増員しました。
  2. 業者による年間メンテナンス契約により、保守点検を強化します。
  3. 環境対策マニュアルを整備し、メンテナンス強化を図ります。
8. 苦情対応の迅速化
  1. ウォッチャー会議を、必要に応じて関係機関・JA理事者および農場内従業員の同席の上開催し、住民の要望にお答えする情報を共有化します。
  2. ウォッチャーおよび事業者・農場従業員の連絡体制をさらに密にし、迅速な苦情対応とともに、その後の事業者によるフォローを充実させてまいります。
  3. 事業者担当者は臭気発生の有無にかかわらず、ウォッチャーと連携して定期的に地域を巡回し、住民からの情報収集および事業者からの情報提供に努めてまいります。

理事者への詳細な報告を実施

理事者報告会を白馬支所・小谷支所にてそれぞれ開催しました。

白馬支所理事者報告会
白馬地区支所(3月17日 企画会議)
小谷支所理事者報告会
小谷地区支所(3月16日 企画会議)

3. 臭気対策プロジェクトチーム 臭気調査実施方針

平成22年度 臭気調査の実施方法について

1. 事業者及び地区住民等の臭気調査への参加

臭気発生の状況について、関係者すべてが同じ認識を持つため、事務局(地方事務所・普及センター・白馬村・小谷村)が実施する臭気調査の際、事業主体(JA大北・全農長野)や地区住民の皆さんに立ち会い等を広く求めます。

  1. 事業主体については、JA理事を始めとする役職員が臭気調査に終日立ち会いができるよう態勢を組みます。
  2. 協議会の住民代表委員、臭気対策プロジェクトチームの地元住民委員については、臭気調査に随時立ち会うよう参加を呼びかけます。
  3. 地区住民には調査実施日を広報し、調査に関心を持ってもらい立ち会い参加が可能なことを周知します。
2. 臭気調査精度の向上策
  1. 臭気と気象条件の関連を把握するため、臭気3以上の地点を中心に風向・風速計測器を使用します。
  2. 臭気3以上と判断される場合には複数人で調査します。
  3. 臭気調査開始前に、長野県環境保全研究所の監修のもと臭気に関する研修会を開催し、6段階臭気強度表示法による臭いのレベル合わせを行います。
    研修会には臭気調査の立ち会いをする事業主体(JA理事を始めとする役職員)や協議会住民代表委員、地区住民等も出席するよう要請します。
3. 7・8月臭気調査時の調査時間延長と調査箇所の追加

第11回協議会(平成21年11月20日開催)に出された意見を踏まえ、臭気が強いとされる7・8月の臭気調査において調査時間の延長と調査箇所の追加を実施します。

  1. 調査時間の延長 : 午後8時まで→午後9時までに延長します。
  2. 調査箇所の追加 : 本年は白馬村西通地区を追加し、補完的な調査を実施します。(昨年白馬村2箇所・小谷村4箇所を調査)

新たな臭気対策設備導入時の説明機会の設定

事業主体が新たに臭気対策設備を導入する際には、臭気対策プロジェクトチームにて設備製造業者を交えた説明会等の機会を設定します。
開催にあたっては、JA理事を始め事業主体の役職員、および協議会住民代表委員、地区住民等関係者の出席を広く求めたうえで実施します。

年間スケジュール

時期 内容
6月 上旬 臭気対策プロジェクト会議および臭気に関する研修会
中旬 第1回臭気調査
対策協議会三役等会議との合同会議
7月 中旬 第1回臭気調査結果検討会議
下旬 第2回臭気調査[調査時間延長・調査箇所追加]
8月 中旬 第2回臭気調査結果検討会議
下旬 第3回臭気調査[調査時間延長・調査箇所追加]
9月 中旬 第3回臭気調査結果検討会議
下旬 第4回臭気調査
10月 中旬 第4回臭気調査結果検討会議
下旬 第5回臭気調査
11月 中旬 臭気対策プロジェクト会議(結果報告及び臭気対策の検討)
12〜3月 調査結果を受け対策を検討

担当者が替わりました

平成22年3月の全農長野人事異動にともない、環境対策の担当者が替わりました。

全農長野SPF豚繁殖センター

[新任] センター長 上原幸登(前任地 東海酪連長野支所)
[前任] センター長 平林一志(新任地 畜産酪農部畜産課)

各主体の役割チャート図